支援機関向けイベント オンライン イベントレポート

イベント概要
開催日時:2025年3月11日(火)13:00-16:20
開催形式:Zoomウェビナー
対象者:アトツギ支援に関心を持つ自治体・金融機関・支援機関
トークセッション①「アトツギ支援を考える 〜導入編〜」
<登壇者>
鬼崎 巧 氏
長崎県産業労働部 経営支援課 経営支援担当 主任主事
2021年度から長崎県産業労働部経営支援課に着任。事業承継支援や海外展開支援などを担当。長崎県アトツギ向け伴走支援プログラム「CORGI(コーギー)」の立ち上げに携わる。
2024年度からプログラムを開始し、現在、第1期生となる次世代を担う県内アトツギの家業のイノベーション支援を、関係機関と連携しながら行っている。
山内 怜 氏
山内造船株式会社 常務取締役 海事代理士
山内造船は117年続く造船所。
自社の経営資源と地域資源を活かし、新たな視点で地域活性化を進め、持続可能な社会の実現を目指している。
受け継がれた技術と観光を融合させることで、新たな価値を生み出したいと考えている。
本セッションでは、令和6年度がアトツギ支援1年目であった長崎県における取り組みをご紹介いただき、特に「CORGI(コーギー)」の立ち上げ経緯や、アトツギコミュニティの重要性が語られました。鬼崎氏からは「県内の支援機関と結んだ事業承継にかかる連携協定がアトツギの掘り起こしの際に役立てられた。また、長崎県は離島からの参加者もいるため、なかなかリアルでプログラムに参加できないことも考慮し、高いモチベーションで参加できるようなフォロー体制を整えていきたい」と支援1年目での気づきと2年目への想いを述べました。
実際にプログラムに参加した山内氏からは「自治体からの支援を受けることで様々なチャレンジができた。アトツギとはいえ、会社のお金を自由に使えるわけではないので、プログラムにあったテストマーケティング支援費用を活用できたのは大きなメリット。新規事業への解像度がかなり上がった。アトツギは孤独になりやすいので、本プログラムを通じて県内のアトツギとつながりができたのは嬉しい。今後の広がりが楽しみだ」とアトツギのリアルと支援のその後への期待をシェアいただきました。
トークセッション②「アトツギ支援を考える 〜実践編〜」
<登壇者>
別所 宏朗 氏
大分県商工観光労働部 経営創造・金融課 経営創造班 主査
2021年から大分県商工観光労働部経営創造・金融課に着任。挑戦者の源泉となるアトツギ支援事業「GUSH!」を主催。第1回から3回まで毎年ファイナリストを大分県から輩出し、さらに第3回は県最多の3名を決勝大会に輩出。
河田 健人 氏
株式会社みなと銀行 地域戦略部 成長分野・アトツギ伴走担当 チーフマネージャー
2011 年 みなと銀行に入社。2016 年 みなと銀行 地域戦略部に配属後、スタートアップ支援、農業、観光、医療産業誘致、公民連携をテーマとした地方創生・地域活性化案件に携わる。スタートアップと大企業・中堅企業のマッチング、スタートアップと連携したイノベーションの創出を実施。
アトツギ支援2〜3年目となる大分県とみなと銀行(兵庫県)。アトツギ支援プログラムを継続する中で見えてきた課題や成果について、自治体と金融機関の視点から紐解かれました。別所氏からは「大分県のアトツギ支援プログラム”GUSH!”はキックオフから中間報告会、最終報告会をオープンイベントにしている。アトツギたちの変化が支援者にも見える場を作りファンになってもらう」とアトツギと支援者が交わる場を意識的に作り、機運醸成につなげているそう。
河田氏からは「アトツギ支援2年目になって”アトツギ”という言葉が社内に浸透したので、ネクストステップとしては啓蒙、アトツギ支援の社内研修を計画している」と社内での仲間づくりについて今後の展開をシェアいただきました。
アトツギ支援プログラム終了後の卒業生が主体的にアトツギイベントを企画し、コミュニティ形成が進んでいる実態もあり、さらなる広がりが見えるセッションでした。
トークセッション③「アトツギ支援を考える 〜持続発展編〜」
<登壇者>
村井 章大 氏
京都信用保証協会 企業支援部 経営支援課 課長補佐 創業サポーター
2005年 京都信用保証協会入協。入協後、保証審査や債権管理などの信用保証業務をはじめ、広報や統計業務等、幅広い業務を経験。2018年より経営支援業務に従事。現在、中小企業者に寄り添った経営支援業務、事業承継サポートデスクの立ち上げと運営、地域経済活性化に向けたアトツギベンチャーセミナーなど数々の企画を手掛ける。
松田 将治 氏
岡山市役所 創業支援・雇用推進課 課長補佐/スタートアップ支援係長
1976年倉敷市にて出生。大学卒業後紆余曲折あり2003年に岡山市役所へ入庁。
福祉部門、環境部門、地域振興部門を経て2020年に産業観光局産業政策課へ異動し、スタートアップ支援拠点事業の担当となる。
当初スタートアップについての知識が全く無い状態であったが事業に関わっていく中、地域社会においてスタートアップやアトツギベンチャー等が創出・成長する環境構築の必要性を痛感し、支援事業拡大に注力。
現在担当5年目を迎えている。
本セッションでは、地域におけるアトツギ支援の先駆け、京都・岡山におけるアトツギ支援の取り組みを比較しながら、持続可能なエコシステムの形成について語られました。村井氏からは「熱狂的な支援者は足で見つけにいく。どんなにアトツギ支援が広がっても、実際に会って話すことほど熱意が伝わるものはない」といわゆる「草の根活動」が仲間づくりの一番の近道であると語ってくれました。
松田氏からは「同じ地域のアトツギ同士で地元を盛り上げつつ、全国のアトツギとつながりを持ち、視座を上げていく。このマクロとミクロの融合が大切で、その中で我々がどう支援していけるかが重要」と、支援者の役割についてシェアいただきました。
本イベントでは、地域ごとのアトツギ支援の導入から発展まで、各地域の事例が共有され、持続的な支援体制のあり方について深く考える時間となりました。今後も、アトツギが挑戦しやすい環境を作っていく取り組みの広がりに期待が高まります!
▼オンラインコミュニティACT詳細
https://atotsugi-koshien.go.jp/act/
▼「アトツギ甲子園」詳細
https://atotsugi-koshien.go.jp/about/
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